授乳方法にはそれぞれ固有の長所と短所が存在します。客観的な特徴を整理したものが以下の比較です。
【母乳育児のメリット・デメリット】
・メリット:感染症予防成分が含まれる、調乳の手間やコストがかからない、子宮収縮の促進など母体の産後回復を助ける。
・デメリット:母親しか授乳できないため負担が集中する、飲んだ量が目に見えず不安になりやすい、乳腺炎などの乳房トラブルや食事・服薬の制限がある。
【ミルク育児のメリット・デメリット】
・メリット:誰でも授乳できるため育児分担がしやすい、飲んだ量がミリ単位で把握できる、腹持ちが良く授乳間隔が安定しやすい。
・デメリット:粉ミルクや哺乳瓶の購入費用がかかる、夜間の調乳や器具の消毒に手間がかかる、外出時の荷物が増える。
ネット上の掲示板やSNSでは、「母乳で育てないと愛情が足りない」といったいわゆる「母乳神話」に苦しめられた母親たちの体験談が今なお散見されます。母乳が出にくい体質や強い痛みを伴う乳腺炎に悩みながら、無理を重ねて心身をすり減らしてしまうケースも少なくありません。
授乳は子育てのほんの入り口に過ぎず、母乳が出ないことやミルクを選択したことに引け目を感じる理由は一切ありません。母親自身の精神的・身体的な健康が保たれていることこそが、子どもにとって何よりの成育環境です。