第244話の幕開けは、決戦前に行われた高専側の作戦会議の回想からスタートします。日下部篤也、冥冥、憂憂、三輪霞、秤金次、脹相ら主力メンバーが一堂に会し、五条悟が敗れた最悪のケースを想定した「対宿儺プラン」を議論する場面です。前線で戦う戦士たちだけでなく、後方支援や法解釈のプロフェッショナルが知恵を絞る姿は、まさに総力戦の様相を呈していました。
会議の中心となったのは、元弁護士である日車寛見の術式特性です。日車の領域内では一切の暴力行為が禁じられ、式神「ジャッジマン」による裁判が開廷されます。しかし、千年前の平安時代から生きる両面宿儺に対して現代日本の刑法が適用できるのかという根本的な管轄権の問題が浮上しました。明治時代以降に制定された現行法では、千年前の犯行を遡及して処罰することは原則として不可能です。
そこで浮上したのが、現代の新宿および渋谷で宿儺が犯した明白な罪を裁くという現実的なアプローチでした。日車は過去の判例や自らの法知識をフル回転させ、確実に死刑判決をもぎ取るためのシミュレーションを重ねていきます。この作戦立案のプロセスこそ、芥見下々氏の真骨頂とも言える緻密なロジック構築の賜物です。