こうした深刻な社会問題に対し、行政も手を出さずにいたわけではない。全国に先駆けて画期的な一歩を踏み出したのが、神奈川県大和市の「大和市歩きスマホ防止条例」だ。
公道や広場などの公共の場所でスマホ等を操作する際は「立ち止まること」を義務付けたこの条例は、罰則こそ設けられていないものの、駅前の路面標示や啓発アナウンスを通じて市民の意識改革に大きな一石を投じた。実地調査では、条例制定後に歩きスマホを行う歩行者の割合が減少したというデータも示されている。
一方で、東京都の小池百合子知事も都議会や会見において、都市部における歩行者の安全確保の重要性を度々訴えてきた。過密な首都圏の駅構内や繁華街では、たった一人の不注意が群衆雪崩や集団転倒などの大惨事を誘発する恐れがある。行政の側も、啓発活動にとどまらない実効性の高い安全策をどのように構築すべきか、模索を続けている。