一方で、SNSで爆発的な拡散を見せる動物コンテンツには、常に懸念の目が向けられます。この画像に対しても、拡散のピーク時には「本当にあくびなのか?」「犬のようにハアハアと息をする開口呼吸(パンティング)ではないか」「病気や極度のストレスで呼吸困難に陥っているのではないか」という指摘が一部のネットユーザーから寄せられました。
猫における開口呼吸は、熱中症、胸水、重度の心筋症(肥大型心筋症など)、あるいは極度の恐怖や疼痛を示唆する危険な兆候であることが広く知られています。そのため、動物愛護に関心の高いユーザーが疑問を抱くのは自然な反応でした。しかし、この疑問に対する獣医師の見解や映像分析を照らし合わせると、その心配が杞憂であったことが明確になります。
病的な開口呼吸の場合、猫は胸を大きく波打たせ、舌の色がチアノーゼ(紫色)に変色したり、表情に強い緊張と虚脱が見られたりします。対して「世界の中心で愛を叫んだネコ」の様子を精査すると、以下の特徴が確認できます。
- 目とヒゲの緊張度:あくび特有の反射により、目がギュッと細められ、ヒゲ(洞毛)が自然に前下方へと倒れている。
- 舌の形状:口の奥へとスプーン状に丸まっており、リラックスした状態での生理的あくびの典型的な運動パターンを示している。
- 前後の動作:一連の動画において、あくびが終わった直後に自身の前脚をペロペロとグルーミング(毛づくろい)し、落ち着いた様子で丸くなっている。
被毛の特徴や体格から、この猫の品種はいわゆる日本猫(雑種、キジ白)と推測されますが、叫ぶ猫 種類に関わらず、骨格の柔軟な猫種であれば誰もが見せる健康的な生理現象です。悪意のある虐待や過度なストレスによる演出ではなく、飼い主と愛猫との間に強固な信頼関係があり、無防備にくつろげる安全な室内環境があったからこそ撮れたショットであったという点が、このミームの決定的な真実です。