月山習の戦闘スタイルは、頑強さと鋭利さを兼ね備えた甲赫(こうかく)の特性を極限まで活かしたものです。右肩甲骨付近から展開される赫子は、螺旋状に腕へ巻きつく巨大な剣となり、状況に応じて強固な盾へと変形します。
作中では全身を異形の鎧で包む完全な「赫者(かくじゃ)」に到達した描写こそありませんが、同胞を喰らう共食いを繰り返すことなく、純粋な鍛錬と技術によってS級喰種としての地位を確立しました。体術にも優れ、フェンシングや武術の動きを取り入れた華麗な太刀筋はCCGの捜査官たちを大いに苦しめました。
彼が「美食家」と呼ばれた理由は、単に人間を殺して食べるだけでなく、「最高の調味料は恐怖と絶望である」という美学を持ち、選び抜いたターゲットに特製の前菜を用意するなど、異常な演出を行っていたためです。この徹底した耽美主義が、彼の戦闘における揺るぎない自信とプライドを形成していました。