スーパーで購入する長ネギ(根深ネギ)は、土に埋まって日光に当たらず育った「白い部分」と、地上で太陽の光を浴びて育った「青い部分(葉身部)」で栄養組成が全く異なる。文部科学省の「日本食品標準成分表」を確認すると、その差は歴然としている。
最大の違いは、β-カロテンの含有量だ。日光を浴びて葉緑素を発達させた青い部分は、白い部分と比較して数十倍ものβ-カロテンを含有している。β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持、免疫機能のサポートに働く抗酸化成分である。さらに、コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCや、骨の健康を支えるカルシウム、造血に関わる葉酸も青い部分に集中している。
また、ネギの青い部分の内側に付着しているゼリー状の透明な「ぬめり」を傷んでいると勘違いして洗い流してしまうケースが見られるが、これは大きな誤りだ。このぬめりの正体は「フルクタン」などの水溶性果糖重合体(多糖類)である。厳しい外気温から身を守るためにネギ自身が蓄えた糖分であり、免疫活性化や整腸作用に関する研究も進められている。加熱すると濃厚な甘みと旨みに変わるため、極力落とさずに調理へ活かしたい。