「足元を見る」という心理的駆け引きは、日本固有のものではなく世界共通の人間行動です。英語圏のビジネスでも、相手の弱みにつけ込む行為を表す多彩なイディオムが存在します。
最も直球で使われる表現が"take advantage of someone's weakness"(人の弱みを利用する・つけ込む)です。客観的かつフォーマルな場面でも広く通用する標準的な表現です。
口語表現で「足元を見やがって」という悔しさを表す際には、"They saw me coming."というフレーズがぴったり当てはまります。直訳すると「やつらは私が来るのを見ていた」ですが、「カモがやってきたと見抜かれて法外な値段を吹っ掛けられた」というニュアンスを持ち、まさに江戸時代の駕籠舁きと同じ心理描写を含んでいます。
また、強引に厳しい条件を押しつける交渉姿勢を指して"play hardball"(容赦ない態度を取る)と言ったり、足元を見てぼったくる行為を"rip someone off"と呼んだりします。グローバルな商談の場でも、「相手に弱みを見せれば容赦なく条件を釣り上げられる」という力学は完全に一致しています。