ネット上のQ&A掲示板やSNSを観察すると、「カタカナ変換は単語登録で辞書を鍛えるのが最強」「そもそもGoogle日本語入力を入れればショートカットなど不要」といった意見が散見されます。しかし、ITリテラシー研修や文章作成の実態調査に立ち会うと、この論理には大きな落とし穴があることが浮き彫りになります。
第一に、新語や外来語、専門用語は日常的に増え続けており、すべてのカタカナ語を辞書登録でカバーするのは現実的ではありません。辞書登録の手間そのものが作業フローを阻害します。
第二に、最新の予測変換エンジンは文脈予測に優れる反面、「過去に入力した誤字」や「不要な複合語候補」まで上位に学習してしまう弊害を抱えています。予測候補に頼りきった結果、意図しない変換候補をスペースキーで選択してしまい、後から校正に余計な時間を食われるケースが後を絶ちません。
大手IT企業でタイピング指導を行う社内トレーナーの証言によると、「タイピングコンテストの上位者やプログラマーほど、予測変換に頼らずF7やControl+Kのような決定打キーで文字種を確定的にコントロールしている」といいます。確定的なショートカットを使えば、画面上の候補を目視確認する必要が完全にゼロになるため、ブラインドタッチの完成度が格段に高まるのです。