情報が錯綜しやすい「五鉄」というキーワードには、訪問前や情報検索時に陥りがちな3つの代表的な誤解があります。現地で失望したり無駄な移動をしたりしないよう、正確なファクトを頭に入れておく必要があります。
第一の誤解は、「本所二ツ目に実在した江戸時代の五鉄が、そのまま現代まで続いている」という思い込みです。前述の通り、五鉄は池波正太郎の創作物であり、墨田区緑周辺を訪れても創業数百年の五鉄という店舗は存在しません。歴史的な空気感を味わいたいのであれば、人形町の「玉ひで」へ足を運ぶか、墨田区が設置している「長谷川平蔵・遠山金四郎屋敷跡」などの歴史案内板を巡る文学散歩が適しています。
第二の誤解は、「羽生PAの五鉄は高速道路を利用しないと入れない」という勘違いです。羽生PA(上り)「鬼平江戸処」には、一般道側から利用客を受け入れる専用の歩行者出入口とお客様駐車場(ぷらっとパーク)が整備されています。つまり、高速道路に乗らない近隣住民や一般道ツーリングの途中でも、気軽に立ち寄って軍鶏鍋や一本うどんを食べることが可能です。
第三の誤解は、「沼津や早川の五鉄でも軍鶏鍋が食べられる」という混同です。港町にある五鉄は徹底した海鮮丼専門店であり、軍鶏や鶏料理は扱っていません。逆に羽生PAの五鉄で海鮮丼を求めることもできません。同じ魅力的な屋号であっても、提供される食体験は「江戸の軍鶏鍋」と「港町の海鮮茶漬け」という両極に位置している点を明確に区別しておきましょう。