『ドラえもん』のレギュラー声優が現在の陣容へバトンタッチされたのは、2005年3月から4月にかけてのことです。2005年3月18日放送の「ドラえもん オールキャラ夢の大集合スペシャル」をもって旧キャスト陣がレギュラー放送を卒業し、同年4月15日の放送から水田わさびを中心とする新キャスト陣が番組を担当しています。
この交代劇が異例だったのは、主要レギュラーであるドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫の5名が一斉に刷新された点にあります。通常、長寿アニメのキャスティング変更は、個々の声優の病気療養や逝去に伴い、一人ずつ段階的に引き継がれるケースが大半です。実際、『サザエさん』や『名探偵コナン』では段階的な交代手法が取られてきました。
しかし、『ドラえもん』はテレビ朝日系列での放送開始から26年間(1979年〜2005年)にわたり、主要5名のキャストが誰一人欠けることなく固定されていました。制作局であるテレビ朝日やシンエイ動画、原作者である藤子・F・不二雄プロが下した「全員同時の総入れ替え」という決断は、日本のアニメ業界における前代未聞の挑戦だったのです。