手縫いで裾を仕上げる際、基本となるのが「並縫いまつり(普通まつり)」と、さらに完成度を高める「奥まつり」の技術です。それぞれの用途と構造の違いを把握することで、アイテムに応じた最適な縫い分けが可能になります。
基本の裾上げ手縫いまつり縫いのやり方
まずは最も汎用性の高い標準的なまつり縫いの手順を押さえましょう。裾の端はあらかじめロックミシンやジグザグミシン、あるいは内側に折り込む三つ折りで処理しておきます。
- 針の刺し始め:折り返し布の裏側から針を出し、玉結びを折り返しの内側に完全に隠します。
- 表地をすくう:針先で表地の織り糸をわずか1本だけすくい取ります。このとき針を垂直に刺すのではなく、布に対して平行かつ浅い角度で刺すのがコツです。
- 折り返し布に針を通す:すくった位置から斜め前方に5mm〜8mmほど進んだ位置で、折り返し布の端から2mm〜3mm内側に針をくぐらせます。
- 糸の引き具合の調整:糸を強く引きすぎず、指先で軽くなでて布が突っ張らない程度のテンションを保ちます。この工程を一定の間隔で繰り返します。
スカート裾上げ手縫い簡単手順と奥まつり縫い手順解説
フレアスカートや薄手のレーヨンワンピースなど、歩くたびに裾が大きく翻る衣類では、裏側の縫い目すら見せたくない場面が多々あります。そうした場合に威力を発揮するのが奥まつり縫い手順解説で紹介する高等技術です。
一般的なまつり縫いが折り返しの最上端を留めるのに対し、奥まつり縫いは折り返し布の端から5mmほど下の「折り返しの内部奥」で表地と裏地を留めつけます。手順としては、折り返し布の端を少し指先で手前にめくり、見えなくなった奥の溝部分で表地の糸を1本すくい、次にめくった折り返し布の裏側をすくって交互に進んでいきます。縫い終わって折り返しを元に戻すと、表側はおろか裏側から見ても縫い糸が完全に隠れるため、高級既製服のようなノーブルな佇まいが完成します。スカート裾上げ手縫い簡単手順としてこの技法を取り入れるだけで、足元に洗練された品格が宿ります。