医学的に「背中が曲がる病気(脊柱後弯症・高齢者の円背)」を引き起こす最大の元凶は、骨粗鬆症による椎体圧迫骨折の連鎖です。
背骨(脊椎)は、だるま落としのように積み重なった椎骨によって支えられています。女性は閉経を迎えると、骨代謝をコントロールする女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急減し、骨密度が急速に低下します。戦前・戦後の食糧難の時代を生きた世代は、若年期のカルシウム摂取量や栄養状態が不十分だったことも重なり、現代の高齢女性よりもはるかに深刻な骨粗鬆症に陥りやすい体質でした。
骨が脆くなった状態で、重い水桶を持ち上げたり中腰で農作業を続けたりすると、椎骨の前方部分が自重や負荷に耐えきれず潰れてしまいます。これが「いつの間にか骨折」とも呼ばれる圧迫骨折です。背骨の前側が潰れてくさび状に変形すると、重心が前に傾きます。すると上の椎骨にかかる負荷がさらに増し、次々と隣接する骨が潰れていくというドミノ倒しのような圧迫骨折が発生し、結果として90度近く腰が曲がった円背が完成していたのです。