近鉄の歴史を語る上で外せないのが、数々の「お召し列車」専用に改造された名車たちだ。なかでも語り継がれているのが、近鉄12200系お召し特別仕様車の存在である。外観こそ当時の標準的なスナックカーの面影を残すが、車内には極秘の特別加工が施されていた。
防弾ガラスの採用や、御座所となる特別席の配置、さらには沿線からの視線を考慮したブラインドの設計まで、細部に至るまで計算し尽くされていたのだ。一般客が普段目にする車両でありながら、皇室をお迎えする瞬間だけは一変して動く賓館となる。その職人技とも言える車両改修の手腕は、鉄道ファンや研究者の間でも語り草になっている。