犬が老衰で死ぬ間際の兆候と変化|呼吸の乱れや中治り現象と看取り方

犬が老衰で死ぬ間際の兆候と変化|呼吸の乱れや中治り現象と看取り方

今注目を集めている 犬が老衰で死ぬ間際の兆候と変化|呼吸の乱れや中治り現象と看取り方について、主要な情報をご紹介しています。

終末期を迎えた家族の多くが直面する最も胸の詰まる光景が、犬がご飯を食べない老衰末期の症状です。昨日までわずかに舐めていた流動食や好物のペーストを一切拒絶し、口を固く閉ざしてしまう現象は、生命維持の終了に向けた身体の自然な適応反応です。

胃腸の蠕動運動が停止し、消化酵素の分泌が枯渇している身体にシリンジで無理やり流動食を流し込むと、嘔吐を誘発したり、内容物が気管に入って誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を引き起こし、激しい苦痛のなかで窒息死させるリスクが極めて高まります。動物の身体は死期を前にすると、自然に食欲を遮断してケトン体を生成し、これが脳内で天然の鎮痛物質として働くことで、穏やかな陶酔状態(エンゼルハイ)へと導かれる仕組みを持っています。「食べさせないと衰弱してしまう」という人間側の罪悪感から強制給餌を行うことは、動物にとっては苦痛の長期化になりかねません。

水分摂取についても同様の慎重さが求められます。脱水が進むと皮膚の弾力が失われ、眼球が奥へ落ち窪むため、慌てて皮下点滴を大量に投与しようとする事例が見受けられます。しかし、心臓や腎臓の機能が衰退している状態での点滴は、排泄できなくなった水分が肺に溜まる「肺水腫(はいすいしゅ)」を招き、愛犬を溺れるような呼吸困難に陥らせるリスクを孕んでいます。犬の老衰と脱水症状のケアにおける正解は、過剰な輸液ではなく、水で濡らしたガーゼや綿棒で唇や舌をこまめに湿らせてあげる「口腔ケア」です。喉の渇きによる不快感を和らげるだけで、苦痛は十分に緩和されます。

また、この終末期にしばしば観察されるのが、老犬の夜鳴きや遠吠えの原因と対処です。夜中に突然、虚空を見上げて遠吠えをしたり、かすれた声で鳴き続けたりする姿は、認知機能の低下や視覚・聴覚障害による極度の不安、あるいは脳内虚血による「終末期せん妄」が主因です。これを無理に制止しようと叱責したり、過度な刺激を与えたりするのは逆効果です。飼い主の匂いが染み付いた衣服を顔の近くに置き、胸や背中をゆっくりと一定のリズムでストロークすることで、副交感神経を優位に導くアプローチが最も有効です。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。