小橋賢児氏のキャリアは、わずか8歳での芸能界入りからスタートしました。1990年代を代表する数々の名作ドラマに出演し、卓越した存在感で瞬く間にトップ俳優の座へと駆け上がります。
子役時代から青年期にかけての代表作には、田村正和氏主演の『パパとなっちゃん』をはじめ、社会現象を巻き起こした野島伸司脚本の『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』、さらにはNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』など、今なお語り継がれるヒット作が並びます。順風満帆に見えた俳優人生でしたが、20代半ばを迎えた頃、小橋氏の心中には激しい葛藤が渦巻いていました。
「役柄を通じて他人の人生を演じる中で、本当の自分自身が何者なのか分からなくなってしまった」――後に小橋氏自身が語ったように、与えられたレールの上を走り続けることへの違和感が限界に達していました。そして2007年、27歳の若さで突如として俳優活動の休止を発表。地位も名声も手放し、単身アメリカへと渡る決断を下しました。