A&W国際通り松尾店が閉店に至った決定打は何だったのでしょうか。公式プレスリリースや不動産関係者の動向、当時の地元経済紙の報道を総合すると、単なる業績不振ではなく、那覇中心市街地における商業構造の構造的シフトとブランド戦略の再構築が浮き彫りになります。
国際通りの県庁前交差点エリアは、オフィス街である久茂地(くもじ)と観光地の境界線に位置しています。地元ビジネスパーソンのランチ需要と観光客の双方が見込める一方で、坪単価あたりの賃料負担が極めて重いエリアでもあります。2010年代以降、インバウンド需要の爆発的拡大とともに国際通りの地価・テナント賃料は高騰を続け、飲食チェーン各社は費用対効果の厳しい見直しを迫られました。
さらに、観光客の回遊パターンの変化も見逃せません。ゆいレール各駅の整備やホテル建設の進展に伴い、ツーリストの滞留拠点は県庁前側から、ドン・キホーテやてんぶす那覇が位置する「国際通り中央エリア(牧志・むつみ橋交差点周辺)」へと明確にシフトしました。こうした集客動態の変化を見据え、エイアンドダブリュ沖縄はリソースを分散させるのではなく、よりフロア面積が広く集客効率の高い「A&W国際通り牧志店」への一本化・機能集約を選択したという見方が業界関係者の間でも有力です。