映画のクライマックス、激闘を終えたあとに訪れる数分間の「沈黙」。ここに監督と原作者が込めたメッセージの凄みがある。
危機を脱し、夕暮れの砂浜で静かに波音を聞くちいかわ、ハチワレ、うさぎ。しかし、ハチワレが浮かべた一瞬の曇り顔と、そこから静かに引いていくロングショップの映像は、単純なハッピーエンドを明確に拒絶していた。彼らは生き残った。だが、失われたものや残された謎、そして一度知ってしまった世界の理不尽さは、二度と元には戻らない。あの沈黙こそが、観客の心に深い爪痕を残した最大の要因と言えるだろう。