楽器の英語表記完全ガイド!通じない和製英語の罠と正しい文法ルール

楽器の英語表記完全ガイド!通じない和製英語の罠と正しい文法ルール

楽器の英語表記完全ガイド!通じない和製英語の罠と正しい文法ルールにまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

机上の文法を超えて、実際の音楽制作や海外セッションの現場に飛び込むと、教科書には載っていない生きた英語の壁が立ちはだかります。米国バークリー音楽大学への留学経験者や、ロンドンのレコーディングスタジオで活動する日本人セッションミュージシャンへの取材から、現場のリアルな証言が見えてきました。

ロサンゼルスのスタジオで活動するある日本人ギタリスト(30代男性)は、渡米当初の苦い経験を次のように手記で振り返っています。

「スタジオに入って『I play classic guitar.』と自己紹介したところ、現地のプロデューサーから怪訝な顔をされました。彼らにとってクラシックギターという表現は、バッハやタレガをホールで演奏する古典奏者を意味します。私がボサノバやポップスを爪弾くためのガットギターを指していると気づいたエンジニアから、『That's a nylon-string guitar(ナイロン弦ギター)』と言い直されました。楽器の構造や弦の素材で呼び分けるのが彼らの日常感覚でした」

また、セッションの現場では、楽器そのものの名称以上に「役割」を指す略称やスラングが飛び交います。ドラムセット全体を指す言葉として「drum set」よりも「kit(キット)」という単語が頻繁に使われ、ドラマーは「Have you set up your kit yet?(もうドラム組んだ?)」と声をかけられます。ベース奏者に対しても、アコースティックなウッドベースを指す場合は「double bass」や「upright bass」、エレクトリックベースなら単に「electric bass」と呼び、決して両者を曖昧にしません。

ネット上の音楽コミュニティ(Redditのr/WeAreTheMusicMakersや日本の知恵袋など)でも、「海外の掲示板でバンドメンバーを募集する際、パートの書き方が通じない」という相談が後を絶ちません。「Keyboard」とだけ書くと、キーボードアレンジができるプロデューサーなのか、ピアノ伴奏者なのか、シンセサイザーの音作りができるプレイヤーなのかが判別できないため、現地のフォーラムでは「Synth programmer wanted」や「Looking for a Hammond B3 player」のように、極めて具体的かつ機能に踏み込んだ英語表記が求められるのが現実です。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。