安物買いで損する人の共通点とは?生涯コストを下げる選択の科学

安物買いで損する人の共通点とは?生涯コストを下げる選択の科学

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なぜ私たちは、冷静になれば怪しいと分かる低価格商品に引き寄せられてしまうのか。その答えは、人間の意思決定メカニズムそのものに隠されている。行動経済学の創始者であるダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」によれば、人間は利益を得る喜びよりも、損失を被る痛みを約2倍強く感じる。つまり、「今安く買わなければ損をする」という感情が働いた瞬間、合理的な計算能力は麻痺してしまうのだ。

ノーベル経済学賞受賞者のリチャード・セイラーが明らかにした「取引効用」の概念も、この現象を見事に説明している。人は商品そのものから得られる価値(獲得効用)だけでなく、「定価よりこれだけ安く買えた」というお得感そのもの(取引効用)に快感を覚える。本来は必要のない低品質なアイテムであっても、「通常価格から半額」というラベルが貼られているだけで、脳はそれを価値ある戦利品だと誤認してしまう。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。