彼が全身全霊を捧げて演じた主演映画『天外者』は、幕末から明治初期を駆け抜けた実業家・五代友厚の激動の生涯を描いた本格派ヒューマンドラマです。「誰もが夢を見られる国を作りたい」と叫ぶ劇中の五代の眼差しは、三浦春馬自身の生き様そのものと重なり合っていました。
現場で見せた鬼気迫る熱量と、他者への無償の優しさ。彼の中に宿っていた「人の痛みに寄り添う力」は、厳しくも温かく自分を導いてくれた母親から受け継いだ情緒的資質であったことは間違いありません。自らの限界を超えて作品に命を吹き込み続けた彼の姿勢は、ただ観客のためだけでなく、自分という存在をこの世に生み出してくれた親への無言のメッセージだったようにも受け取れます。