一方で、美意識の高い人ほど陥りがちな深刻な罠が存在します。それがたるみマッサージ逆効果の理由として皮膚科医や形成外科医が強く警鐘を鳴らす「過剰な摩擦と組織破壊」です。
顔の皮膚を骨に固定している「リガメント(靭帯)」は、コラーゲン線維の束でできていますが、強い力で引っ張ったりグリグリと揉みほぐしたりすると、線維が微小断裂を起こして伸びきってしまいます。一度伸びきったゴムが元に戻らないのと同様に、伸びてしまったリガメントは自然には修復されず、かえって皮膚の下垂を加速させるという皮肉な結果を招きます。
さらに、毎日の強い擦過刺激は角質層のバリア機能を壊し、真皮の炎症を誘発してコラーゲンを破壊するだけでなく、肝斑(かんぱん)などの難治性色素沈着の原因にもなります。小顔ローラーを力任せに転がしたり、強いリンパマッサージを自己流で繰り返したりする行為は、「たるみを治す」どころか「たるみを自ら作り出す」リスクを孕んでいるのです。