包丁を入れた瞬間、果汁がまな板に溢れ出てしまう——そんな失敗を回避するには、果肉の細胞を押し潰さない切断テクニックが不可欠だ。果物カットの第一人者として知られるフルーツアーティストの平野泰三氏も推奨する基本のアプローチは、まず上下の端(ヘタと尻の部分)を切り落とし、縦半分に一刀両断することから始まる。
断面が見えたら、さらに縦4等分の舟形にカットする。ここからがプロの技だ。バナナのように皮を手で外側へめくるだけで、包丁を一切使わずにスルリと果肉だけを取り出すことができる。皮のギリギリまでぎっしり詰まった果肉には、ビタミンCやポリフェノールが豊富に含まれている。ナイフで厚く剥き落としてしまうと、最も栄養価の高い外皮近くの層を捨ててしまうことになるのだ。NHK『あさイチ』の果物特集でもこの簡便な剥き方が紹介され、視聴者の間で「目からウロコ」と大きな反響を呼んだ。
一口大のサイコロ状にカットする際は、食べる直前に冷えた包丁を使うのがコツだ。細胞壁を傷つけずにすっぱりと切り分けることで、口に含んだ瞬間のシャリッとした独特の食感と、みずみずしい果汁の広がりが段違いになる。