店頭に並ぶキウイが石のように固く酸っぱい根本的な理由は、収穫時の生理状態にあります。キウイは「クライマクテリック型果実」に分類され、樹上では糖度が十分に上がりきらない段階で収穫されます。完熟前に収穫しなければ、輸送中の衝撃で果肉が崩れ、流通段階で腐敗してしまうためです。
未追熟のキウイの果肉には不溶性デンプンが大量に含まれており、酸味の主成分である有機酸(クエン酸・キナ酸)の比率が極めて高くなっています。この状態では甘みを感じる遊離糖が少なく、舌を刺すような酸味と硬さだけが際立ちます。
この果実内部に眠るデンプンをブドウ糖や果糖といった甘味成分へと分解・転換させるトリガーとなるのが、植物ホルモンの一種であるエチレンガスです。キウイ自身も微量のエチレンを分泌しますが、自身の力だけで追熟を開始するには個体差があり、室温に放置するだけでは数週間経っても固いままシワシワに萎びてしまうケースが頻発します。外的なエチレン刺激を与えることこそが、糖度を一気に引き上げる絶対条件となります。