暗闇の館内を抜けて屋外デッキに出ると、一転して荒々しい海鳥の鳴き声が耳をつんざく。日本最大級の規模を誇るペンギン展示場だ。国内では珍しいフェアリーペンギンをはじめ、フンボルトペンギンやミナミイワトビペンギンが、疑似岩場を跳ね、水中に弾丸のように飛び込んでいく。
ここにはガラスの天井がない。上空には本物のカモメが旋回し、東京湾の潮風が直接吹き込む。水面を割って浮上したペンギンが、ブルルと頭を振って飛沫を散らす瞬間、見学者との間にある境界線は極限まで曖昧になる。アクリル板越しに「鑑賞」するのではなく、同じ大気の下で「居合わせる」感覚。この野性味あふれる展示デザインこそ、葛西が子どもたちの心に深く爪痕を残す理由だろう。