ITmediaや各種SNSのコミュニティ、Yahoo!知恵袋などに寄せられる実際の相談事例を精査すると、メールアドレスの紛失や探索にまつわる失敗には明確な傾向が見受けられます。
「通販サイトのパスワードをリセットしようとしたが、登録していたアドレスそのものを忘れてしまい、二重認証コードが受け取れずアカウントを完全に見失った」「古いキャリアメール宛てに届いた重要通知を放置したまま回線を解約し、二度とログインできなくなった」といった悲痛な叫びは枚挙にいとまがありません。総務省の通信動向調査でも指摘されている通り、複数端末の併用が進んだ結果、利用者が自身のアカウント構造を把握しきれなくなる「アイデンティティ管理の断片化」が顕著になっています。
また、相手のアドレスを突き止めようと焦るあまり、ソーシャルエンジニアリングまがいの手法に手を出すトラブルも増加傾向にあります。「SNSのアカウント名から安易に推測してメールを送信したところ、全く無関係の同姓同名の方へ機密情報が誤送信されてしまい、情報漏洩事故として始末書を作成する事態に発展した」という法人の現場報告もあります。不確実な推測送信は、ビジネスにおける信用を瞬時に失墜させる引き金となります。