アワビ料理の醍醐味は、身本体だけにとどまりません。鮮度の良いアワビだからこそ堪能できる「肝(ウロ)」を使った特製ソースを合わせることで、一皿の完成度は別次元へと引き上げられます。
多くの家庭で敬遠されがちな肝ですが、実はアワビの肝バター醤油ソースは極めてシンプルな工程で完成します。取り外した生の肝から砂袋(先端の小さな硬い部分)を切り落とし、包丁の刃先で細かく叩いてペースト状にします。アワビを焼き終えた後のフライパン(旨味が溶け出したバターが残っている状態)にそのまま肝ペーストを投入し、極弱火で加熱しながら白ワイン小さじ1、醤油小さじ1、みりん小さじ1/2を加えて木べらで手早く練り上げます。
このとき、分離しないようバターの油分と水分をしっかり混ぜ合わせる「乳化」を意識します。艶やかでとろみのある深緑色のソースに仕上がれば完成です。アワビのスライスにこの濃厚なソースをたっぷり絡めて口に運べば、磯の豊かな風味とバターのコク、醤油の香ばしさが一体となった至福の味わいが広がります。
また、洋風のパンチを効かせたい場合には、アワビのガーリックバター焼きレシピへのアレンジもおすすめです。最初の油ならしの段階で、極微塵切りにしたニンニク1片を極弱火でじっくり炒め、香りをオイルに移してからアワビを投入します。ニンニクが焦げ付くとアワビの繊細な風味を損なうため、色づく直前に白ワインを加えるのが美味しく仕上げるコツです。