現在の中国現地におけるマスク着用率は、都市部であっても平時で1割〜2割程度にまで落ち着いています。北京や上海の地下鉄・オフィスビルを見渡しても、日常的にマスクを着けているのは風邪気味の人や高齢者、または極度の寒冷期・黄砂発生日に限られます。日本のように「年中無休で屋内・屋外問わず着け続ける」ライフスタイルは現地では見られません。
訪日観光客の動向にも興味深い特徴があります。日本を訪れる中国人観光客は、旅行先での人混みや移動時の防寒・ウイルス対策としてマスクを持ち歩くものの、記念写真を撮る際や屋外の開放的な場所では迷わず外します。また、春先に日本を訪れた中国人が「なぜ日本人はこんなに一斉にマスクを着けているのか」と驚き、スギ花粉症の存在を知って初めて納得するというケースも珍しくありません(中国にはスギ花粉による大規模な花粉症文化がほぼ存在しないためです)。
加えて、夏季には「防晒面罩(日焼け防止フェイスカバー)」と呼ばれる、目元以外を完全に覆う特殊なUVマスクを着用する中国人女性が急増しており、これもまた「美白と肌保護」という明確な実利に基づいたトレンドです。