まらしぃの素顔と本名とは?非音大から頂点に立った演奏技術と現在

まらしぃの素顔と本名とは?非音大から頂点に立った演奏技術と現在

まらしぃの素顔と本名とは?非音大から頂点に立った演奏技術と現在の背景について、専門知識を詳しくお届けします。

クラシックの難曲をやすやすと弾きこなし、規格外のアルペジオを連発する演奏技術から「どこかの名門音楽大学を首席で卒業したのではないか」と誤解されがちですが、その学歴は一般的な私立大学の情報系学部です。音楽の正規高等教育機関を出ていない事実こそが、彼のプレイスタイルを唯一無二のものに仕立て上げました。

ピアノとの出会いは4歳。クラシックピアノの英才教育を受け、9歳からは本格的な演奏活動をスタートさせてコンクールでも実績を残していました。しかし、中学時代に決定的な挫折が訪れます。当時の指導者から厳格な演奏規則や表現の型を強要されたことで、「音を楽しむ」感覚を完全に喪失。ピアノの蓋を完全に閉じ、鍵盤から完全に離れるという数年間の空白期間を経験しました。

再び彼をピアノへと向かわせたのは、大学時代に出会った同人サークル文化と、ゲーム『東方Project』のBGMでした。友人の薦めで耳にしたZUN氏作曲の神聖かつキャッチーなメロディに衝撃を受けた彼は、楽譜のない楽曲を耳コピし、衝動のままにピアノへ落とし込みます。2008年8月、ニコニコ動画へ投稿された『【東方】ネイティブフェイスを弾いてみた【ピアノ】』は、当時のネットコミュニティに激震を走らせました。

激しい左手の跳躍、ベースラインを強調したパーカッシブな打鍵、そして画面端に佇むピンクの猿。クラシックの伝統的枠組みから解き放たれ、ポップカルチャーと融合した彼のスタイルは、動画投稿サイトの爆発的な普及とともに一時代を築きます。『メルト』『千本桜』『ブラック★ロックシューター』などボーカロイドの名曲を次々と鍵盤上で再解釈し、やがてその波は動画サイトの枠組みを完全に突破しました。

2013年、トヨタ自動車のハイブリッドカー「AQUA」のテレビCMに起用され、Perfumeの『チョコレイト・ディスコ』や『千本桜』のピアノ演奏が全国のお茶の間に流れた瞬間は、サブカルチャー発のネットギークが日本のアート・商業シーンを根底から塗り替えた歴史的転換点として今も語り継がれています。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。