大きな話題を呼んだ衝撃的な裸身のシーン。カメラの前に立つにあたり、現場ではどのような葛藤と決断があったのか。メガホンをとった行定勲監督の証言によれば、そこには二階堂ふみ自身の並々ならぬ熱量と積極的な提案があったという。当初、演出上の露出度については慎重な検討が重ねられていた。だが、彼女自身が原作のハルナが纏う「圧倒的な空虚さと生の質感」を過不足なく表現するには、一切の誤魔化しを捨てて身体を晒すことが不可欠だと直訴したのだ。
撮影前には行定勲監督と入念な対談が重ねられ、役の解釈と表現の限界線が徹底的に議論された。そうして迎えた本番。カメラが捉えたのはエロティシズムではなく、生への切実な抗いそのものだった。共演の吉沢亮との息詰まる掛け合いも含め、緊張感が張り詰めた現場環境の中で、あの一瞬一瞬がフィルムに刻み込まれていった。