Lの後継者であるニアとメロの追跡を受けた月は、物語の最終局面「イエローボックス倉庫」で決定的な敗北を迎えます。完全無欠を誇った彼がなぜ足元をすくわれたのか、その敗因には複数の要因が絡み合っていました。
最大の引き金となったのは、月が自らの代弁者として選んだ魅上照(みかみ てる)の独断行動です。メロによる高田清美誘拐事件の際、魅上は月が動けないと判断して銀行の貸金庫に隠してあった本物のデスノートを取り出し、高田を裁きました。この隙を見逃さなかったニアの部下・ジェバンニによってノートは一晩で完全に偽物へとすり替えられ、最終対決の場で「ノートに名前を書かれなかった唯一の人物=夜神月」という動かぬ証拠を突きつけられます。
追い詰められた月は松田桃太捜査官に銃撃され重傷を負い、最後は死神リュークの「お前が死ぬ時は 俺がお前の名前をノートに書く」という最初の契約通り、ノートに名前を書かれて心臓麻痺で命を落としました。信奉者を「自らの意志を持たない完璧な駒」として過信し、自分以外の人間を侮った傲慢さこそが、神を自称した男の真の敗因です。