長年在籍したインテンションからの退所を経て、彼のキャリアは新たな局面を迎えた。声優業界全体がタレント化やSNSでの発信力を急速に強める中、櫻井孝宏は愚直なまでにマイク前での表現そのものと対峙し続けている。制作現場や共演者からの信頼は厚く、彼が培ってきた職人芸とも呼べるアフレコ技術は、今もなお第一線で求められている。
個人の動向が常に注目を集める厳しい環境下であっても、作品が世に出ればその卓越した芝居で観客を唸らせる。実力のみで評価を勝ち取り続けるそのスタンスは、激変する業界内でも異彩を放ち、プロフェッショナルとしての矜持を静かに物語っている。