多くのコンテンツツーリズム(聖地巡礼)は、放送終了から数年で沈静化するのが常だ。しかし秩父は違った。
旧秩父橋や実在する寺社仏閣には、今もなおノートを手にしたファンが絶えない。地元住民との温かい交流が15年間途絶えなかったことが大きい。商店街の店主たちは、ファンを「観光客」としてではなく、「帰ってきた幼馴染」のように迎え入れる。
「ブームは去るものだと思っていた。でも、彼らは毎年帰ってくるんです」と、地元の飲食店主は微笑む。
アニメが街の風景を塗り替えたのではない。街の日常にアニメが溶け込み、新たなアイデンティティとして定着したのだ。これこそが、一過性のブームで終わらせない地方創生の理想郷だろう。