自主リハビリや通院での機能訓練を継続しても拘縮が固定化してしまった場合、保存療法の限界を見極めて外科的介入へ踏み切る判断が求められます。「膝の手術後リハビリはいつまで続ければ良いのか」という疑問に対しては、一般的に術後2〜3ヶ月が一つの臨床的ターニングポイントと見なされています。
この段階で屈曲が90度に満たない場合や、完全伸展が得られない重度の拘縮に対しては、以下の処置が検討されます。
麻酔下徒手授動術(マニピュレーション)
全身麻酔または腰椎麻酔下で筋弛緩を得た状態にし、執刀医が徒手的に膝を曲げて関節内の癒着結合を断ち切る治療法です。膝の拘縮に対する徒手授動術は、主に術後2〜3ヶ月以内の比較的軟らかい瘢痕組織に対して行われます。骨粗鬆症がある患者では骨折リスクを伴うため、慎重な適応判断が行われます。
関節鏡下授動術(膝関節 癒着剥離術)
術後長期間が経過し、瘢痕組織が強固に線維化・骨化している場合に行われる内視鏡手術です。関節鏡で内部を直視しながら、膝蓋上包や顆間窩に増生した不要な瘢痕組織を電気メスやシェーバーで精密に切除(デブリードマン)します。癒着剥離後は即座に可動域が回復するため、術後当日から専門的なリハビリを再開し、再癒着を徹底的に防ぐプロトコルが組まれます。