彼女の才能が爆発した初期作品を外して、その軌跡は語れない。井筒和幸監督の日本映画『パッチギ!』で見せた清冽なヒロイン役は、数々の映画賞を総なめにし、誰もがその圧倒的な透明感に魅了された。画面越しに伝わる凛とした佇まいは、観客の記憶に深く刻み込まれた。
さらにフジテレビ系で放送されたヒューマンドラマ『1リットルの涙』では、難病と闘う少女を全身全霊で演じ切った。「なんで私が…」という涙の問いかけは、今なお多くの人々の胸を締め付ける。役柄になりきり、己の感情を極限まで削り出す演技スタイルこそ、彼女が女優として生きていくための原点であり、嘘をつけない不器用なまでの生き方の証明でもあった。