本作に集った脚本家たちの経歴を紐解くと、昭和から平成の映像文化を牽引したトップクリエイターたちが名を連ねています。
小川英は日活映画出身の生粋のストーリーテラーであり、娯楽映画のノウハウをテレビドラマへ見事に移植しました。構成の論理破綻を絶対に許さない厳しい姿勢を持ちながらも、若手ライターの自由な発想を積極的に採用する度量の広さを持っていました。
一方、初期のドラマ性を高めた鎌田敏夫は、文学的な情緒と登場人物のリアルな弱さを描くことに長けていました。さらに第2話を手掛けた市川森一は、犯罪者の内面にある孤独や社会矛盾を浮き彫りにし、単なる勧善懲悪にとどまらない深い余韻を番組に残しました。
中盤以降を支えた柏原寛司や大川俊道らは、アメリカン・ニューシネマやフィルム・ノワールの影響を受けた疾走感あふれるアクションを展開。70年代後半のスコッチ刑事(沖雅也)やロッキー刑事(木之元亮)、ドック刑事(神田正輝)の活躍において、切れ味鋭いガンアクションやカーチェイスシーンの描写を極め、ドラマの近代化に寄与しました。