ペットボトルの除湿能力を極限まで高めるには、熱力学の特性を利用したいくつかの工夫が欠かせません。単に部屋の隅に置くだけでは空気の流れが滞り、ボトルの周囲にできた冷たい空気の膜(境界層)が熱交換を妨げて結露の勢いが失速してしまいます。
効果を引き上げる第1の技が、ペットボトル除湿と扇風機の併用です。扇風機の背後、あるいは風の通り道にペットボトルを配置し、微風を当て続けます。空気がボトルの表面を絶え間なく通過することで境界面の湿った空気が常に入れ替わり、単位時間あたりの結露量が約1.5倍から1.8倍に増加します。さらに、ボトルによって冷却・除湿された空気の流れが体に届くため、体感温度を約1〜2℃押し下げる効果も同時に享受できます。
第2の技が、ペットボトル除湿に塩を入れる理由として知られる「凝固点降下」の活用です。真水は0℃で凍りますが、水に対して約15〜20%の食塩を溶かした飽和食塩水は、凝固点がマイナス10℃〜マイナス15℃近くまで下がります。家庭用冷凍庫(通常マイナス18℃〜マイナス20℃設定)で凍らせると、通常の氷よりもはるかに低温の凍結ボトルが完成します。表面温度がより低くなることで周囲の空気との温度差が開き、露点温度をより強力に下回るため、結露が発生するスピードが劇的に加速します。※凍結時の体積膨張による容器破裂を防ぐため、水溶液はボトルの8分目程度に留めて凍らせてください。
第3に注意すべきはペットボトル除湿の置き場所です。冷たく乾いた空気は密度が高く重いため、自然と下方へ沈み込みます。床に直接置くと、冷えた空気が床面付近に溜まり続け、部屋全体の対流が生まれません。椅子の上やチェストの上など、床上60cm〜100cm程度の高い場所に設置するのが最も理にかなっています。人の呼吸器や肌に近い高さに配置することで、除湿された空気の恩恵をダイレクトに受けることが可能になります。