札幌ラーメンの歴史を語る上で欠かせないのが、「純連(じゅんれん)」と「すみれ」の関係性です。両店は同じ創業者(村中明子氏)の血筋から生まれた兄弟店であり、濃厚味噌ラーメンの源流を共有していますが、その仕立てには明確な個性と方向性の違いが宿っています。
純連とすみれの味の違いを客観的に比較すると、以下の特徴が浮かび上がります。
- 純連のキャラクター:醤油ダレのようなキレとスパイシーさが前面に出ており、ラードの層はやや薄め。山椒や生姜の辛味がシャープに効いた、力強く直球の男性的な味わい。
- すみれのキャラクター:白味噌のまろやかさと甘みが引き立ち、圧倒的なラードの油膜で全体を包み込む。オイリーでありながら丸みのある重厚なコクが特徴。
この重厚なすみれ風スープを受け止めるために、絶対に妥協してはならないのが麺の選択です。札幌ラーメンの代名詞である西山製麺黄色いちぢれ麺は、かんすいと卵白を絶妙に調合し、数日間の熟成を経て生み出されます。強い縮れが熱々のラード層を適度に持ち上げ、麺自体の強いコシと小麦の風味が濃厚なスープに負けずに主張します。
具材の主役となるのは、中華鍋の中で激しく火柱を上げて炒められるすみれ味噌ラーメン挽肉ともやし炒めです。強火で炒められたもやしのシャキシャキ感と、ラードのコクを吸った挽肉がスープと一体化します。そして、提供直前に器の中央へこんもりと盛り付けるすみれ味噌ラーメン生姜トッピングが不可欠です。食べ進める途中でこの生のすりおろし生姜を熱々のスープへ溶かし込むことで、爽快な芳香が立ち上り、最後まで飽きさせない劇的な味変を完結させます。