使われている抹茶のルーツである愛媛県四国中央市新宮町は、朝夕に深い霧が立ち込める茶の栽培にうってつけの土地だ。ここで育つ「新宮茶」は、30年以上も前から完全無農薬栽培を続けている全国的にも珍しい茶葉である。害虫や病気のリスクと背中合わせの栽培法は、並大抵の苦労ではない。
しかし、農薬に頼らず力強く育った茶葉は、濃密な香気と深みのある苦み、そして体に染み渡るような旨味を蓄える。この新宮茶の強い個性が存在して初めて、生クリームや餡の甘みに負けない圧倒的な風味が生まれるのだ。素材に対する一切の妥協なきこだわり。それこそが、生産量を制限してでも守り抜くべき魂と言える。