下尾みうの歩みは決して平坦なエリートコースではない。2014年、山口県代表としてAKB48の「チーム8」に加入した当初、彼女は劇場の端でポジションを守る目立たない一員だった。移動に何時間も費やし、週末ごとに各地のステージへ駆けつける過酷な日々。そこで培われたのは、どんな劣悪な環境でも床を踏みしめて跳ぶ強靭なタフネスだった。
所属事務所である株式会社DHの体制が移り変わる激動期にあっても、彼女の立ち位置が揺らぐことはなかった。グループの活動休止や再編、世代交代の波が幾度となく押し寄せるなか、彼女は愚直に自らのスキルを研ぎ澄まし続けた。AKB48の選抜常連へと駆け上がった背景には、ファンによる熱烈な後押しだけでなく、制作現場のクリエイターたちが「下尾をフロントに置けば画が締まる」と口を揃える絶対的な現場評価があった。