爪は皮膚の角層が特殊に変化したものであり、根元にある「爪母(そうぼ)」という組織で作られています。子どもの爪に縦線や凹凸が現れる現象は、この爪母の働きや成長スピード、外部刺激と密接に関わっています。
子どもの体は成人と比較して新陳代謝が非常に活発です。爪の伸びる速度も大人の約1.5倍から2倍近く早く、爪母の細胞分裂が急激に行われます。その過程で爪の厚みや硬さに微細なムラが生じ、それが表面の「縦筋」や「浅い凹凸」として可視化されることが珍しくありません。また、手洗いや砂遊び、水泳教室の後などに十分な保湿がなされないと、爪甲(そうこう:爪の硬い板)の水分量が低下して乾燥し、縦の亀裂のような筋が目立つようになります。
一方で、爪の根本にある色素細胞(メラノサイト)が活性化すると、爪の成長方向に沿って黒色や褐色の色素が線状に伸びていきます。これが「爪甲色素線条」と呼ばれる現象です。大人の場合は加齢による爪のシワ(爪甲縦条)として現れることが多いですが、子どもの場合は成長期の代謝変化や、後述する爪母の良性母斑(ほくろ)が主要な背景となります。