さやから取り出したそら豆をそのまま鍋に投入していませんか。実は、茹でる前のわずか数秒の手間が仕上がりの見た目と食感を劇的に変えます。ポイントとなるのが、そら豆の縁にある黒い筋(通称「お歯黒」)の反対側に入れる深さ2〜3ミリの浅い切り込みです。
この切り込みを入れる決定的な理由は主に3点あります。
第1に、厚い表皮に切れ目を作ることで、2%の塩湯が豆の内部へ均一に行き渡る点です。第2に、加熱によって豆の内部で膨張した蒸気の逃げ道となり、薄皮が破裂したり冷めた後に急激に収縮してシワシワになったりする現象を防止します。第3に、食べる際に指先で軽く押すだけで、つるりと中身が押し出せる抜群の食べやすさが生まれます。
包丁の刃元やペティナイフを使い、お歯黒の反対側の丸みを帯びた部分に水平にチョンと切れ目を入れるだけで下処理は完了です。このひと手間で、料亭のような艶やかな張りを持った仕上がりが実現します。