ここ数シーズン、女子シングルの勢力図はかつてないスピードで変化しています。絶対的な一強時代から、複数の有力選手が僅差で首位を争う混戦へと移行したのには、明確な3つの要因が存在します。
第1に、採点基準における完成度・スケーティングスキルの重視です。単に高難度の複数回転ジャンプを跳ぶだけでなく、スピンやステップの取りこぼしを防ぎ、質の高いジャンプで高いGOE(出来栄え点)を稼ぎ出す選手が高く評価される傾向が定着しました。
第2に、北米・欧州勢の急速な台頭です。アメリカのアンバー・グレンやイザボー・レヴィト、さらには欧州の新鋭スケーターたちがプログラムの完成度を高め、グランプリシリーズやチャンピオンシップスで表彰台を独占させない対抗軸を築いています。
第3に、過密日程におけるコンディショニングとピーキングの難しさです。シーズンを通して安定した成績を残さなければランキングポイントを積み上げられないため、怪我のマネジメントと大会ごとの調整力が順位を大きく左右する要因となっています。