ネット上でまことしやかに囁かれるハッピードリームサーカス 事故の真相を追究すると、そこにはサーカスという極限興行ならではの心理的背景と、情報拡散のメカニズムが浮かび上がってきます。調査の結果、日本国内における同サーカスの巡業中、観客席に被害が及ぶような大事故や、公演中止に直結する人命に関わる重大インシデントは発生していません。
ではなぜ、これほどまでに「事故」という言葉が検索され続けるのでしょうか。最大の要因は、看板演目である大車輪やカースタント・バイクショーが放つ、文字通り「命がけ」の緊張感にあります。直径数メートルの球体ケージ内を複数台のバイクが猛スピードで交差するバイクショーや、高さ十数メートルで高速回転する金属フレームの外側をパフォーマーが目隠しで歩く大車輪は、見ている観客の心拍数を極限まで跳ね上げます。「一歩間違えれば命を落とすのではないか」という現場の戦慄が、終演後に「ハッピードリームサーカス 事故」という検索行動へ直結しているのです。
また、過去に演者が着地でバランスを崩して安全ネットに落下した場面や、海外サーカスでの転落事故報道との混同、さらには練習中のヒヤリハットがネット掲示板などで過張に拡散されたことも尾を引いています。空中ブランコの直下には強固なセーフティネットが隙間なく展張されており、仮にキャッチに失敗しても演者の安全を担保するフェイルセーフが多重に機能しています。
運営母体であるドリームサーカス株式会社では、毎朝の公演前にテント全体のボルト締め、ワイヤーの張力測定、モーター類の動作確認を専門技術スタッフがミリ単位で点検しています。コロンビアやチリなど本場中南米から招聘されたトップアーティストたちも、幼少期から英才教育を受けたプロフェッショナルであり、綿密な体調管理とリハーサルを経てステージに立っています。現場を取材する限り、極限のスリルを演出しつつも、裏側では極めて論理的で厳格な安全マージンが敷かれているのが実態です。