卓越した歌唱力で多くのファンを魅了していた子門氏が、なぜ1993年に突然の引退を決断したのか。その直接的な引き金となったのは、フジテレビ系の情報バラエティ番組による過激な私生活の暴き立て報道でした。
当時、氏の意向を無視したアポイントなしの強引な取材や、プライベートな生活圏への無断潜入、さらにはセンセーショナルな演出による番組構成が行われました。長年『ひらけ!ポンキッキ』を通じて同局に多大な貢献をしてきた自負があった子門氏にとって、同じ系列局のメディアから娯楽の消費物として扱われたショックは計り知れないものでした。
この出来事により、テレビ業界やマスメディア全般に対する不信感が決定的なものとなり、「これ以上、理不尽なメディアの好奇の目に晒されて生きる必要はない」と判断。すべての芸能関係の人間関係を精算し、マイクを置くことを決断しました。