ふたりの共演作のなかでも、金字塔として語り継がれるのが「芸者コント」と「おじいちゃんコント」だ。艶やかな着物を身にまとった二人の芸者が、酒席でくだけた無駄話を延々と繰り広げる芸者劇。そして、噛み合わないやり取りを果てしなく続ける老人の姿を描いたスケッチ。いずれもシンプルでありながら、観客を爆笑の渦に巻き込んだ。
その舞台裏には、徹底されたリアリティへの追求があった。衣装やメイクの細部に至るまで一切の妥協を許さず、仕草や言葉遣いは本物の老いや粋を突き詰めている。単なる変装や表面的なギャグではなく、人間そのものを深く観察し、役になりきった上で生まれるギャップこそが、笑いの極意だったのだ。