彼女の名を日本中の茶の間に轟かせたのが、2024年度前期の連続テレビ小説『虎に翼』における山田よね役です。男装に身を包み、社会の不条理や女性に対する偏見に怒りを燃やしながら法曹の道を志すよねの姿は、多くの視聴者の心を激しく揺さぶりました。
よねというキャラクターは、一歩間違えれば「単なる怒りっぽい人物」や「記号的な男装キャラクター」に陥りかねない極めて難しい役どころでした。しかし土居志央梨は、ぶっきらぼうな口調の裏に潜む深い慈悲や、過去の過酷なトラウマからくる脆さを、わずかな視線の揺らぎや肩の落とし方で見事に表現しました。
2020年の朝ドラ『おちょやん』で演じた芝居茶屋の女中・富士子役で見せたユーモラスで情に厚いキャラクターとは180度異なる変貌ぶりに、ドラマ関係者や批評家からも「同一人物とは思えない憑依力」と最大級の賛辞が送られました。この圧倒的な振り幅こそが、彼女の演技力が業界内で絶大な信頼を寄せられている最大の理由です。