美大受験生が必ず直面するのが「多摩美(タマビ)と武蔵美(ムサビ)のどちらを選ぶべきか」という命題です。両校は同じ東京のトップ私立美大でありながら、その教育理念と生み出すクリエイターの気質には明確なコントラストが存在します。
クリエイティブディレクターとして第一線で活躍する卒業生たちの証言によると、「多摩美は個人の美意識を極限まで尖らせる場所」と評されます。一人ひとりが強烈な作家性を持ち、群れることなく己の腕を磨く空気が八王子キャンパスには満ちています。
一方の武蔵美は、鷹の台キャンパスを中心に学科横断の対話や教養科目(リベラルアーツ)を深く掘り下げる傾向があり、企画書や言語化を通じたデザインアプローチに定評があります。どちらが優れているかではなく、「自分の手を動かして圧倒的なビジュアル・立体を生み出したいか(多摩美)」、それとも「社会の構造や文脈を読み解いて仕組みをデザインしたいか(武蔵美)」という本人の適性によって選択が分かれます。