一口にデニムと言っても、大量生産の化学繊維混紡生地から、熟練の職人が旧式織機で織り上げるヴィンテージファブリックまでピンからキリまで存在します。近年のトレンドで特筆すべきは、世界的なジーンズの聖地として知られる岡山デニムペンケースの躍進です。
とりわけ岡山県倉敷市の児島地区で作られる児島デニム筆箱は、愛好家から別格の評価を受けています。伝統のロープ染色技術によって糸の芯まで染め切らず白さを残す「中白(ナカジロ)」と呼ばれる製法が用いられており、摩擦によって表面の藍色が削れることで、美しいグラデーションを描くアタリが出現します。地元の老舗ファクトリーや工房直営ブランドが手がけるモデルは、ジーンズ用の極太ステッチ(20番手・30番手)や真鍮製リベット、赤耳(セルビッジ)を贅沢にあしらっており、文房具の域を超えた工芸品のような重厚感を放ちます。
文房具メーカー側もこうした熱気に呼応しています。コクヨ(KOKUYO)やレイメイ藤井、リヒトラブといった国内大手メーカーは、アパレルブランドとの協業やデニムラインを相次いで拡充。開いた瞬間にトレー形状になって中身が一目瞭然になるギミックや、内側に撥水ナイロンを圧着して鉛筆汚れを防ぐ二重構造など、日本の文具メーカーならではの緻密な設計力を融合させています。
カジュアルブランドでは、LeeやEDWINといった老舗ジーンズレーベルがライセンス展開するモデルが根強い人気を誇ります。フロントポケットにアイコニックな革パッチやブランドタグが配置され、ファッションアイテム感覚でコーディネートを楽しめる点が、中高生へのプレゼント需要でも高いシェアを握る理由です。