ユニクロが直面する最大の経営課題として、国内外の投資家から常に注視されてきたのが「柳井正氏の後の後継者問題」です。
現在、ファーストリテイリングの役員一覧には、柳井氏の長男である柳井一海氏や次男の柳井康治氏が取締役として名を連ねています。しかし、柳井正氏は「会社は私物ではない」「オーナー家が直接の社長として経営指揮を執る世襲は行わない」と公言しています。息子たちはあくまで株主・取締役としてのガバナンス監視役に留め、現場の最高経営責任者にはプロのビジネスパーソンを登用する方針を堅持しています。
現在のファーストリテイリングおよびユニクロの体制は、塚越大介氏をはじめ、グレーターチャイナ(中国・香港・台湾)事業を急成長させた潘寧(パン・ニン)氏など、各地域で実績を上げた幹部陣による「グローバル集団指導体制」へと移行しています。カリスマ創業者の個人技に頼る経営から、組織と現場力で世界を動かすガバナンス体制の確立こそが、現在進行形で進むユニクロの組織変遷の本質です。