前世記憶の研究において世界的に最も著名な実話の一つが、米ルイジアナ州に住むジェームズ・ライニンガー君の事例です。2歳を迎えた頃から激しい夜驚症に襲われ、「飛行機が燃えて落ちる」と叫び続けたジェームズ君は、やがて自身が第二次世界大戦で撃墜された空母ナトマ・ベイ所属のパイロット「ジェームズ・ヒューストンJr.」であったと詳細を語り始めました。
当時2歳児が得られるはずのない「コルセア戦闘機の構造」「硫黄島での戦況」「戦友の名前(ジャック・ラーセン)」を証言し、父親が海軍の機密解除記録や退役軍人会を徹底調査した結果、すべての証言が実在の戦死者の記録と完全一致することが証明されました。この記録は単なる偶然や親の思い込みでは説明がつかない客観的証拠として、医学界にも大きな衝撃を与えました。
また、生まれ変わり実話日本の事例として歴史的に有名なのが、江戸時代後期に起きた「勝五郎生まれ変わり物語」です。武蔵国多摩郡(現・東京都日野市)の農民の息子・勝五郎が、8歳の時に「自分はかつて程久保村の藤蔵という子供で、6歳の時に疱瘡(天然痘)で亡くなった」と告白しました。当時の領主や文人・平田篤胤が現地調査を行ったところ、程久保村に実際に藤蔵という少年が存在し、死因や家族構成、村の情景描写に至るまで勝五郎の証言通りであったことが公的記録として残されています。のちに小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)によって海外へも紹介されたこの記録は、日本における前世記憶調査の原点とも位置づけられています。